山とつきあう

『山とつきあう』を読んだよ。『山の自然学』の流れで、また自然学。

本書はテーマが3構成。
一つ目は穂高岳、白馬岳を中心とした北アルプスの山岳における岩石の風化作用のメカニズムを解明しているよ。どうしてあの硬そうな岩石が割れるかとか、それがどのようにして崩れ、下方に運ばれていくか…など、そんなこと当たり前と思っていたことが論理的に説明付けられているよ。読んでみて、なるほど〜と思ったことが多数あったよ。

二つ目は上高地の自然の成り立ち。梓川と河辺林の関係、そして周辺の山々から運ばれる土砂の作用。すべてが連関して上高地の自然を成立させていることが、論理的に説明されているよ。
だから、それに人間が直接手を下すことは短期的には効果があるかもしれないけど、長期的には意味が無いってことがよく分かるよ。

三つ目はヒマラヤ登山とネパールの関係について。世界中からエベレストを目指して登山やトレッキングに来ることにより、チベットの人々の生活が変わっているといった話。当然、自然への影響も見逃せないみたい。人々の生活と森林破壊は密接に関連しているようだし。

まとめとしては、タイトル通り、我々がどう「山とつきあう」かってことになる。自然的な破壊は止められるわけにはいかないから、ひとりひとりがLowImpactを徹底するしかないんだろうね。
だから、湯ノ沢峠で見た花を採集していたようにみえたオバチャンたちは、山に来る資格がな〜い!!

自然環境とのつきあい方 (1)
自然環境とのつきあい方 (1)岩田 修二

岩波書店 1997-05
売り上げランキング : 782590


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ