話を聞かない男、地図が読めない女/アラン・ピーズ,バーバラ・ピーズ

話を聞かない男、地図が読めない女』を読んだよ。男女は違うことが前提で。

以前に日本でも話題になり、200万部も売れたという本書。うん、確かにそんな記憶が…。で、今回はprime readingでの読書。このprime reading、たまに本書のような読み損ねた昔のベストセラーが出ているので、定期的にチェックする必要があるよね。

さて、本書。基本的にはタイトル通りなんだけど、これにはそれ以上の内容を包含する。ひとつは、「話を聞かない」、「地図が読めない」はネガティブ要因だけど、当然ながらポジティブな要因が存在し、それが説明されていないということ。だから、ネガティブには目をつぶり、ポジティブを意識してお互いが接していくべしということになるよね。

もう一つ。そもそも男女は違うということ。

女が地図を読むのが苦手で、男が新聞を読んでいるとき何も聞こえないのは、ウサギが空を飛べず、アヒルがよちよち歩くのと同じで、根本的に変えようがない。
とか、
男と女はもともとの作りがちがっている。この事実を認めようとせず、勝手な期待を相手に押しつけると、男女関係は暗礁にのりあげる。
ということ。いや、ついついこの事実を忘れがちになるんだけど…。

そして、個人対個人の男女間ではまだいいとして、社会的に考えるとどうなるのか。

男と女はちがう。どちらが良い悪いではなく、ただちがう。科学の世界では常識だが、差別嫌いの社会が全力でそれを否定にかかっている。男と女は等しく扱われるべきだという社会的、政治的な観点は、両者が同じであることを前提にしている。だがその前提には、まったく意味がない。
いやはや、これは社会構造が間違った前提で成立しているということではないか…。建前と事実の違いで社会が混乱し、収拾がつかないって、やっぱり構造的な問題なんだろうね。なんだか妙な気づきを得た読書でした…。