陰の季節/横山秀夫

陰の季節』を読んだよ。D県警って何県?

『クライマーズ・ハイ』から気になっていた横山秀夫。その次は「D県警シリーズ」の長編の『64(ロクヨン)』で、今回はその「D県警シリーズ」の短編集。その代表作といってもいいのかも。
そして、『64(ロクヨン)』と同じく、刑事が主役ではなく、警察で働く人たちが主人公なのがこのシリーズの特徴だよね。

本書の4編の主役の仕事は、人事担当、監察官、婦警、議会対策と様々。それぞれが警察内部の根深い課題に巻き込まれていく。そして、そのどれもが警察内部の不祥事と関わっている。だから、

『事故』──。警察職員の不祥事はすべてそう呼ばれる。
という表現が使われているよ。なんだか、そもそもを誤魔化しているような…。

そして、特徴的なのは最後の「議会対策」。こんな仕事があったんだ…という感じ。いや、警察といっても、まさにお役所なんだということが分かるよね。

警察といっても、結局は起こる事件は会社と変わらないんだよね。それが証拠にD県警では自組織のことを「カイシャ」って言っているしね。でも、会社と違うのは、自組織対策の機能が大きいってことかな。普通の会社以上にコンプライアンス重視と言ってしまえば、それまでなんだけど…。