考えるヒント2/小林秀雄

考えるヒント2』を読んだよ。頭の悪さを痛感させられる読書。

精神の集中を持って取り組んでいかないと、途中で挫折しそうになる読書は、何度も体験してきているが、今回はまさにその極地。どうやって読み切ったかという記憶が、読了直後に忘却の彼方に飛んでいってしまうほど。
確かに難解なんだけれども、その難解さが微妙。ある一文でも、途中までは分かる分かるとスイスイ読んでいると、読点の先に真っ暗闇が現れるという感じ。
例えば、

近代科学は、よく検討された仮説の累積により、客体の合理的制限による分化によって進歩した。
とか…。

でも、分かった箇所もまったく無かったわけでもなく、以下にいくつかを紹介。

世の中は、時をかけて、みんなと一緒に、暮してみなければ納得出来ない事柄に満ちている。実際、誰も肝腎な事は、世の中に生きてみて納得しているのだ。
という人生訓のようなもの。

後半はニュートンとか、デカルトとか、理系の話題も出てくる中で、

デカルトは、数学を計算の技術と見る眼から、数学を「精神を陶冶する学問」と解する大きな精神の眼に飛び移る。
ということも。そっか、「精神を陶冶する学問」か。いい言葉を知ったかも。考えること=陶冶なんだろうね。

さて、シリーズの次に進むかは甚だ微妙。Kindle本でも入手済みならば、別だけどね。