はじめての経済学/伊藤元重

はじめての経済学 (日経文庫)』を読んだよ。改めて経済学。

『吉野家で経済入門』で筆者の伊藤先生を知り、その後もJMOOCの講座などで伊藤先生の語り口とわかり易さに、池上さんに通じるものがあるのを感じていた自分。その伊藤先生の教える経済学の超入門という感じなのが本書。超入門と言いながらも、日経文庫で上下巻2冊なので、経済学について広く学べるし、読み応えも十分にあり。

上巻は経済学の基礎。アダム・スミスの『国富論』から始まる。

スミスが『国富論』を書いてから二百年、世界の通商政策や経済政策においては、自由貿易主義と保護主義の闘いの連続であるといってもよく、その中でさまざまな経済理論が生まれてきました。この問題はまだ決着がついているわけではなく、先に触れた反グローバリズムの動きなども、新たな形の保護主義のあらわれであると見ることもできるでしょう。
ということなんだけど、本書を読むと、まさにこの二つの主義の闘いを分析するのが経済学なんだということが分かるわけ。このトレードオフの二つの考え方を様々な仕組みで調整していく活動があるわけで、それらを理論的に捉えていくってことなんだよね。

そして、マクロ経済学ミクロ経済学の話。

経済学の基礎を成すのは理論的な分析です。この本でもマクロ経済学ミクロ経済学という、経済学の最も基本的な理論について学ぶわけですが、この経済理論には、高度で精緻な数理的分析から、数理的な分析によらないより深い思想的な考察まで非常に幅広いものが含まれています。
と経済学の幅の広さを説明する。とは言え、本書にはグラフで説明する箇所も多く、やっぱり数理的分析の方が理解できるし、説得力があるかな。

そして、自分が合点したのは、

雇用、労働、技術、資金を例にとって説明したように、多くの経済活動は企業の内部で組織的な形で行われていると同時に、企業を超えた市場でもさまざまな形で行われていることがわかると思います。企業の経営にとって重要な問題は、さまざまな経済活動のうちのどの部分を自らの組織の中で行い、どの部分を外の市場に求めていくかを判断することです。
ということ。様々な経済活動があり、国内のみならず海外との関係も視野にいれなくてはいけない中で、どうぞれらを組み合わせていくか。おや?やっぱり最適化とか、本書の中に出てきたゲーム理論の問題に落とし込めるってことなのかな?

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