ロング・グッドバイ/レイモンド・チャンドラー
『ロング・グッドバイ(ハヤカワ・ミステリ文庫)』を読んだよ。これがハードボイルドか…。
Kindle本として購入して、しばらく積読状態で放置されていた本書。なにしろ文庫版で645頁もの大著だから、読み始めるまでに勇気がいる。ある意味、意を決してダウンロードしたのは確か。それでも、紙の本だったらそもそも読んでいなかったかも。
主人公はフィリップ・マーロウという名の私立探偵。 テリー・レノックスという人物とひょんなことから友人になり、レノックスが関連する事件に、マーロウが巻き込まれていく。但し、巻き込まれていくという表現は正確には正しくなく、マーロウ自身が気になるから、事件を追っていったんだろうね。だから、マーロウは事件に関連するある人物に向かって、
君は収まりの悪いほつれなんだ。と言う。そう、マーロウはほつれを繕いたくなる性格なんだろうね。
そして、ハードボイルド。所々にその要素を含んでいるんだけど、マーロウの行動がその一端を表す。
細部をおろそかにしない男、マーロウ。なにをもってしても、彼のコーヒー作りの手順を乱すことはできない。拳銃を手に目を血走らせた男をもってしても。とか。あとはアルコール。いつでもどこでもアルコールが出て来る。飲んだ後でも運転するし。あぁ、ハードボイルド…。
最後に、訳者あとがきから。
チャンドラーの小説を読む醍醐味のひとつは、そういった「寄り道エピソード」の持っていきかたのうまさを味わうことにあると言ってもいいだろう。そう、本筋と関係のない寄り道が多いのは確か。ハードボイルドだからといえばそれまでだけど、推理小説として読んだら、冗長とも言えるかも。でも、頑張って読みました~。
ロング・グッドバイ フィリップ・マーロウ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
posted with amazlet at 20.02.18