そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティー

そして誰もいなくなった (クリスティー文庫)』を読んだよ。ポアロは登場せず。

アガサ・クリスティの著作の中では、『オリエント急行の殺人』か本書かと思われるほどに有名な本書。とは言え、自分的にはストーリーも犯人も知らないという純粋な状態でこの物語を読むことができたのは運がいいのかも。『オリエント急行の殺人』では、犯人があまりにも有名だからね。

ストーリーはタイトルそのまんま。10人の人々が次々と死亡していき、最後の一人も死んでしまう。二人目までくらいまでは、単なる事故だろうと納得できる状況だけど、残り5人を切っていくと、生き残った人間同士が疑心暗鬼になってくる。この中に犯人がいると思うと、それはそうならざるをえないだろうね。

そして、ポアロも登場せず。謎解きがされずに全員が死亡してしまうというのもストーリー的には面白い。最後の謎解きは真犯人の書き残した手紙で行われる。動機がちょっと弱いかなという気もするけど、それよりも謎解きとか早い展開でのスリルとかを楽しんだほうがいいかな。

そして、兵隊さんの人形とそれを歌う童謡。

「そりゃあ、偶然なんかじゃない! あれは犯人がつけたした、ちょいとした小道具だ! やつはいたずらが好きなんだ。あのふざけた童謡と、なるべく同じにしようとしている!」
そう、童謡と同じように殺人が行われていくって、どこかで聞いたことがあるような。これって、『悪魔の手毬唄 (角川文庫)』?そっか、横溝正史も本書をヒントにしたか!

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