生きるための図書館/竹内悊

生きるための図書館: 一人ひとりのために (岩波新書)』を読んだよ。図書館界の重鎮らしい。

図書館関係の本を少しずつだけと読み続けているけど、「生きるための」っていうちょっと重そうな形容詞がつく本書。新刊だったから、それほど深く考えずに読み始めたけど、そもそもの図書館の有り様を幾つかの事例を中心にまとめているよ。

前半は戦後直後からの図書館の有り様を考えて、実践していった図書館関係者の話。主に、子供の読書環境についての活動。それは戦前の教育からの脱却でもあり、一人ひとりが生きていくために知識を取得し、考えていくための読書を目指す。題名の「生きるための」とは、そういうこと。そして、副題の「一人ひとりのために」にも繋がっていく話。

そして、後半は図書館とは何かという根本的な問いに。自分のような生半可な知識ではダメだったことを知ることになるんだけど。

例えば、図書館が教育に資するということをどう捉えるか。

その「教育」の中で、「教」とは集団教育のイメージが強いのですが、図書館は一人ひとりへの支援が仕事ですから、「育」を担当するといえます。この二つを総合して「教育」が成り立つのです。
と。そう、ここでも、「一人ひとり」というキーワードが出てくるんだよね。

最後は司書という役割について。

そこで本と新しい媒体の組み合わせと、誰もがそれを自由に使える条件が必要です。それには、それぞれの組み合わせを援助する「本と人をつなぐ人」とその考え方とが大事になります。
ということ。それがまさに司書という仕事。図書館が無料貸本屋ではあり得ない意義がそこにはあるんだよね。
図書館には頑張ってほしいなぁ~。

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