大学大倒産時代/木村誠

大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学 (朝日新書)』を読んだよ。もがき続けるだけ。

大学冬の時代と言われてから、もう何年経つだろうか。その要因は18歳人口の減少にあったわけだけど、そのピークが既に過ぎ、マーケットが縮小しつつあるんだけど、そこからさらに課題が出てくる。それはその縮小率が都会と地方で差異があること。それが地方創生と相まって、話がややこしくなってくる。

と、そんな社会情勢の中で、大学がどうもがき続けているかについて、事例をひたすら並べたのが本書。国立大学、公立大学、私立大学はそれぞれ事情は異なるし、前述の都会か地方かでもまた違ってくる。

各大学が気にするのは大学ランキングという代物。世界的なものから、国内限定まで、各種のランキングが公表されているけれども、その評価の難しさについて、

いかにその大学の教育研究活動を評価するのが難しいかを認識したうえで、大学世界ラインキングを見るのが良いかもしれない。大学を評価するには様々な視点があり、入試偏差値と就職率だけではないことを学ぶ良い機会であることに間違いはない。
と筆者。そう、企業のように単に売上とか株価とかだけではなく、その評価が多面的であるからね。

そして、都会と地方の差異。都会は定員増を認めないなどの政策は話題になっているけれども、それに対する地方大学の生き残り策は、こぞって「地域連携」。

最近のCOC+(「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業)は、<中略>大学卒業後の若者の雇用創出など、地方における若者の定着を進めようという意図がはっきりしている。
ということ。「地」と「知」なんて、洒落まで出るには驚くけど、逆に意図が分かりやすいかな。

最後に女子大の動き。一時は「女子大不要論」が唱えられたりしたけど、復活の兆しとも。それはキャリア教育だとか。確かに、労働市場における女性の活用は話題になっているよね。

やっぱり、大学の社会的意義は大きいなぁ。象牙の塔では有り得ないわ。

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