NEVER LOST AGAIN/ビル・キルデイ

NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生 (世界を変えた地図)』を読んだよ。そうきたか…というオチ。

原題の『NEVER LOST AGAIN』では何の話だか意味不明だけど、邦題の『グーグルマップ誕生』はそのまんま過ぎ。邦題は本題と副題を入れ替えるとスッキリするかな…と、珍しく編集者気分でコメントしてみる。

筆者は、シリコンバレーのスタートアップ企業キーホールのマーケティング・ディレクターであったビル・ギルデイ氏。のちに、買収によってグーグルに移るんだけど。そして、この物語の中心人物は、キーホールで、のちにグーグルで地図サービスを立ち上げるジョン・ハンケ氏。内容を簡潔に言ってしまうと、かれら二人を中心に、グーグルマップ、グーグルアースを作っていく人々のドキュメンタリーっていう感じ。

このドキュメントの前半は、キーホールが開発したアプリケーションである「キーホールアースビューアー」の話。幾多のピンチを乗り越えて、ある閾値を超えると社会に注目されるアプリケーションになっていく。そして、グーグルへの買収。筆者が初めてグーグルのラリーとセルゲイに会った時、彼らへ「1000万ドルか1000万ユーザのどちらを望むのか?」と問いかける。するとラリー曰く、

そして、ラリーは彼のトレードマークとなっている白い歯を見せた笑みを浮かべて「君たちは、それよりもっと物事を大きく考えた方がいい」と言った。
と。考えていることのレベルが違うんだろうね。もっと先を、もっと上をと考えているのかもしれないし、そもそも数字は考えていないような気がする。最高のユーザ体験を提供することだけを考えているんだろうね。

グーグルマップにとってその最高のユーザ体験とは何だろうか。そのヒントになるのが、

ラリー・ペイジはグーグルのミッションとして「世界の情報を整理すること」を掲げているが、ダン・エグノーの開発したアルゴリズムは「世界の情報を地理的に整理すること」を意図していた。
ということ。そして、整理することによって、何ができるか。その最たる事例は自動運転車プロジェクトなんだろうけど、いまやどこのサイトにでも、グーグルマップにリンクが張られていないサイトを探すのが難しいほど。そして、さらに新しいサービスが立ち上がる。ウーバーしかり、あのゲームアプリも。

グーグルマップ、グーグルアース、グーグルストリートビューら、これらのサービスが世界を変えたことは事実。本当に凄いことだと思う。とにかく、人間の叡智ってハンパない!

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