地図と愉しむ東京歴史散歩/竹内正浩

カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 (中公新書)』を読んだよ。東京ワンダーランド。

今回もある意味で紀行文と言えると思うけど、グルメや温泉は無し。東京の地形や歴史的遺跡、建物などを訪ねて歩く旅。散歩じゃすまないレベルのものもあるけど。ちょっと、ブラタモリ風かな。タモリとの差異は、地図を読み解きながら…という点か。

では、どんな歴史散歩になるのか。
まずは公園編。上野公園の変遷が大きな話題になっていたけど、自分が気になったのは芝公園増上寺を中心として、明治初頭から公園に指定されていたけど、日本国憲法第89条により、社寺所有地を公園として管理することが不可能となったことで、公園の指定区域が大幅に減少したのだとか…。
筆者曰く、

寺社と園地が渾然一体となった昔日の面影はまったく失われたのである。地図を見るかぎり、戦前の方が公園としてのまとまりはよかったという気がしなくもない。
と。確かに昔の地図を見ているとそう思う。そもそも、自分は増上寺の周辺一帯が芝公園だと思っていたんだけど、違ったのね…。

そして、東京都の水道整備。東京の水源のひとつに多摩川水系があるけど、その多摩川の流域である三多摩地域が、明治26年までは神奈川県だったとか。これは初耳。そして、東京都に編入されたきっかけになったのが、コレラの流行と汚物投入事件。

そのため、たとえば水源部の不衛生などの問題があっても、東京府の行政権や警察権は直接三多摩地域におよばす、しばしば問題を生じていたのである。
ということ。三多摩地域は東京都と、当たり前だと思っていたことが、そうでなかったということがあるもんだね。

最後は川の話。
東京の東には、江戸川、荒川、隅田川という大きな川が流れているけれども、そのうち、最大の荒川は人工の水路だったとは…。自分は隅田川が荒川の放水路だと思っていたから…。ついでに言えば、利根川も大昔は東京湾に流れ込んでいたんだよね。

地図を見比べるだけでも、なんだか、驚くことばかりだなぁ~。

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