ロングテール/クリス・アンダーソン
『ロングテール(アップデート版)―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ新書juice)』を読んだよ。ロングテールの次は何だろう。
「ロングテール」という言葉は知っていたけれども、体系的に詳しく知りたいと思い本書。実は以前から読みたい本リストに入っていたんだけど、新書版でも450頁の大書なので、ちょっとタイミングを見ていたって感じ。
では、本書のテーマから。
文化を席巻する大きな箱への需要はまだあるけれども、唯一の市場ではなくなった。ヒット市場はいまやあらゆる大きさの無数のニッチ市場と競い合い、消費者はもっとも選択肢の多い所に引きつけられている。「全員にフリーサイズ」時代は終わりを告げ、新しい傾向が見えてきた。マルチ市場だ。と冒頭に宣言。そう、ロングテールの概念はここに集約されているんだけど、キーワード的には、ヒットとニッチ、選択肢、全員にフリーサイズ辺りかな。
で、最初のキーワードである「ヒットとニッチ」の関係はというと、
ロングテールの本当の凄さはその規模にある。繰り返すが、ヒットしない商品を集めればヒット作に匹敵する市場が作られる。ということ。だから、本書の“「売れない商品」を宝の山に変える新戦略”という副題はちょっとヘン。「売れない商品」というのは有り得ないって筆者は言っているんだからね。少数でも買ってくれる消費者がいるので、そこにいかに届けるかという戦略なんだよね。
そして、ロングテールの三つの追い風。それは、「生産手段の民主化」、「流通手段の民主化」、「需要と供給の一致」。これをしっかりと抑えておけば、ロングテールとは何かが一望できる。そして、どんな商品にでもロングテールの波が押し寄せてくる可能性があるのがわかると思う。商品…いや、もっと広げて、サービスと言ったほうがいいかな。
本書の初版は12年も前。だから、現代にロングテールが着実に定着しているのが分かるよね。そう、だからこそ、ロングテールの次は何が来るんだろ…と興味津々だよね。
ロングテール(アップデート版)―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ新書juice) | |
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