ネットの高校、はじめました。/崎谷実穂

ネットの高校、はじめました。 新設校「N高」の教育革命』を読んだよ。ネット時代の教育のあり方だ。

2016年4月に開校したN高等学校。メディアや業界では話題になり、去年に本書が本屋の店頭に並んだ時に、すごく気になったんだけど、なぜか読みたい本リストに入れていなかった。どうして今頃になってという感じなんだけど、きっかけは高大接続。高校を知らずして、大学を語るべからずというか。今や、初等中等教育の改革はどんどん進んでいるしね。

N高校とはなにか。ドワンゴKADOKAWAが設立した通信制高校のこと。ネットとメディアがタッグを組み、それらのノウハウを活かした教育を行っていることが一つの特徴。でも、それだけではないっていうのがミソで、やっぱり教育内容(カリキュラムとか教育体制)がユニークなんだよね。そして目指すは生徒数12万人。これは凄い数字。これが実現すると教育の有り様が変わるかもしれないね。筆者曰く、

N高は、未来の“普通”をつくろうとしているのだ。
と。そう、N高校がスタンダードな高校の有り様になる日を目指しているってこと。目標は高いほうがいい。

で、授業の方法は基本はeラーニング。でも、ニコニコのノウハウや技術を使っているので、一般的なeラーニングとはちと違う。そのリアル感というか双方向性のレベルが違うんだよね。だから、分からないことはすぐに確認できるし、その場で他の生徒から教わることも可能になるっていうわけ。しかも、教育コンテンツが必要に応じて作ることもできるわけで、

むしろ、自主性があれば、通常の高校生以上に学べる環境を用意している、というところを売りにしている。
というネットを活かした展開も有り。N高校にしたら当然の帰結なんだろうけど。

最後に、N高校の野望。

そこで、N高はイデオロギーではなく、具体的な「結果」を重視することにしました。
と。その結果とは「仕事に就ける」と「大学合格」の2つ。分かりやすく、シンプル。これがいいよね。
さらには、
そもそも「こういう子に入ってほしい」というのではなく、入ってくれた子にどれだけ役立つ教育を僕らが提供できるか、という考え方をしています。
と、アドミッションポリシーを否定。いや、これも考え方の一つだよね。うん、悪くない。
N高校と普通の高校、両方あっていいと思う。それこそ、人の生き方の問題だからね。
ネットの高校、はじめました。 新設校「N高」の教育革命
ネットの高校、はじめました。 新設校「N高」の教育革命崎谷 実穂

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