エレガントな宇宙/ブライアン・グリーン
『エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する』を読んだよ。「宇宙」に「エレガント」という形容詞…。
年末年始は図書館の貸出期間が延びることを利用して大作にチャレンジすることが多い。ということで、本書は574頁の超大作。本を持っているのを見ただけで、「その本、厚いね」っていう反応があるほど。さらに問題は、満員電車の中で片手で持ちながらは読めないこと。と、まぁ好きな時に好きなスタイルで読みにくいだけってことだけど。
副題は「超ひも理論がすべてを解明する」。だから、本書は現代物理学で統一的な理論となり得るとされている「超ひも理論」について、その物語と概説を述べたもの。自分的にはこの「物語」の話が好きなんだけど、概説も詳細。あれっ、変な表現だけど。まぁ、そういうこと。
で、その物語。当然ながらニュートン力学の解説から始まって、アインシュタインの特殊、一般の両相対性理論。そして、量子力学と解説は続く。そこまでで全体の三分の一を費やす。そう、そこまで理解していないと、この先の超ひも理論は理解できないからね。そして、本題のひも理論、超ひも理論、M理論の物語に続く。
正直に言って、ひも理論以降は理解するのがキツイわ。途中の脚注では、
この節と続く数節で述べる考えのなかには、かなり難解なものもあるので、説明の筋についていくのがたいへんでも(とりわけ一読しただけでは)、うんざりなさらないよう。とあったりして…。いや、後半はまさにうんざりだらけで、何度も挫折しそうになったけど、年末年始と時期が幸いしたのか、持ち堪えたわ。
そして、特に後半では数学との関係が強調されるよ。数学と物理学との関係は、数学が物理学に道具を提供していくというのが、よくあるパターンだけど、ひも理論の場合はちょっと違う。それは、
ひも理論は物理学に統一的な枠組みを提供するばかりでなく、これに劣らず深い、数学との統一をも形づくりそうだ。ということ。関係が逆転しているってことだよね。いや、お互いが切磋琢磨し、進歩するのはいいことだわ。
で、このエントリでは超ひも理論の内容には言及せず。いや、言及できないというのが正しいか…。
エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する | |
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