世界が変わる現代物理学/竹内薫

世界が変わる現代物理学 (ちくま新書)』を読んだよ。議論の終わりはあるんだろうか。

科学本が好きで、適当に読み漁っているんだけれども、当然ながらアカデミックな読み方ではないわけで、自分がどこまで分かっていて、何が分かっていないのかも分からないわけ。とは言え、到達目標があるわけでもないので、それはそれでいいのかもとは思うけど、もうちょっと俯瞰してみてみたいというのは事実。
結果的に、その思いに沿っていたのが本書。現代物理学の今の位置とその考え方を筆者なりの解釈でまとめたのが本書。

おっと、前段が長くなったけど、本書の紹介はこれで十分かも。でも、そうなるとこのサイトの意味がなくなってしまうので、以下に概要。

ひと言で言ってしまうと、現代物理学は「モノからコトへ」とまとめられるのだと。

現代物理学の思想性は、量子重力理論という最前線の研究においてもっとも鮮明なかたちであらわれます。そこでは、すべての「モノ」が消え去り、すべては「コト」になるのです。そこでは、すべての「非虚構」が崩れ去り、すべては「虚構」と化すのです。
と筆者。これが思いっきり抽象化の世界。

さらに、「虚構」の世界を数学で表現すると、そこには複素数という概念が現れる。自分的には「おっと、そう来たか。」と。だから、「虚構」を「現実」に変換するのに、二乗したり。なるほどなぁ〜。

でも、「虚構」の世界、つまり「抽象化」ってどこまで行くんだろという素朴な疑問。多分、抽象化の限界は人間の限界ってことなんだろうね。そう、抽象化の完成は神の領域への到達なんだろうからね。

世界が変わる現代物理学 (ちくま新書)
世界が変わる現代物理学 (ちくま新書)竹内 薫

筑摩書房 2004-09-07
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