勉強の哲学/千葉雅也

勉強の哲学 来たるべきバカのために』を読んだよ。勉強するのも楽じゃない。

本屋のPOPでは「東大生、京大生が読んでいる!」ということなので、東大でも京大でもないし、ましては大学生なんてとうの昔になってしまったけど、改めて「勉強」について考えようと思い本書。
内容的には、まさに「勉強」を哲学的に考えるということ。それも徹底的に。いや、哲学とは徹底的に考えるってことか…。

で、いきなり結論じみたこと。

勉強とは、かつてのノッていた自分をわざと破壊する。自己破壊である。
と言う。言い換えると、わざと「ノリの悪い」人になることである…とも。ん?これが勉強の定義?って感じなんだけど、この説明が哲学的になされているってわけ。

説明のキーワードの最初が「言語」。言語に束縛された環境から脱し、自由に言語を使いこなそう。それによって、ノリの悪い人になること。それが深く勉強することなんだとか…。

そして、最も重要なキーワードが「アイロニー」と「ユーモア」。もうこの段階で一言で言い表すのは無理。ただ、言えるのはそれぞれを追求していく何となく結論のようなことが見えてくることは確かだということ。

分かりやすかったのは、「結論の仮固定」という考え方。

ある結論を仮固定しても、比較を続けよ。つまりは具体的には、日々、調べ物を続けなければならない。別の可能性につながる多くの情報を検討し、蓄積し続ける。
ということ。これが「勉強し継続する」ということだそうで。最後の「勉強の有限化」という話に繋がっていく。うん、これはイメージできる。

さて、東大生や京大生はこの本を読んで何を思うか…。自分的には、単にこれからも勉強し続けるしかないかな…と。

勉強の哲学 来たるべきバカのために
勉強の哲学 来たるべきバカのために千葉 雅也

文藝春秋 2017-04-11
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