科学はどこまでいくのか/池田清彦
『科学はどこまでいくのか (ちくま文庫)』を読んだよ。科学に対して構える必要なし。
池田清彦先生の科学エッセイ。1995年に「ちくまプリマーブックス」の一冊として発刊されたものだけど、中高生向けにしては難度は高い感じ。
で、冒頭から結論。
科学もまた。自然の意味づけに関するひとつの物語に過ぎないのではないか。そしてこの物語は、かなりヤバいのではないだろうか。というのが筆者のいう本書の結論だとか。前半部は確かにそう思う。人間という視点からみて、意味の整合性を取ろうとしているだけだから。そして、後半の「ヤバい」部分を本書の中で語っていたように思うよ。
そして、科学の不思議。
H2Oの分子はみな同じだ、という科学の理論を、我々が不思議に思わないのは、H2Oの分子などというものは、普通の人には見えないおかげなのである。という考え方。そう、体型や顔かたちが違っていても、ホモ・サピエンスとして括っているのと同様に、H2Oも実はちょっとづつ違っているのかもしれないね。
最後に実証可能性について。
要するに素粒子物理学の最先端の理論は実証不可能な理論になりつつある。今や物理学は形而上学(哲学)の時代に入ったのかもしれない。確かに、ビックバンを実験で再現するなんてことはできないよね。となると、これが科学の限界ってこと?科学の行末が心配になってきた〜。
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