触発する図書館/大串夏身,高野洋平,高木万貴子,鳴海雅人
『触発する図書館―空間が創造力を育てる』を読んだよ。読者も触発される…。
図書館関係者1名と建築家3名による共著。だから、基本的には図書館を空間的に捉えて考えるわけなんだけど、その空間という概念を拡張していくまで考えているのがミソ。そう、ネットの時代において、図書館という囲われた環境のみに情報が囲い込まれている時代ではないからね。
では、そんな時代に、図書館と図書館員は図書館に対してどう考えていったらいいのか?…ということを考えてみようというのが本書。
ということで本書に述べられているキーワードを幾つか紹介。
一つ目は、メディアの連鎖。
一つのメディアで得たきっかけが、次のメディアにつながる。その連鎖に身を任せて空間のなかを漂う。情報のブラウジングと空間のブラウジングの壁がなくなるのです。と。例えば、本で読んだイメージから、音楽と映像に繋がっていけば、興味と知識の連鎖が広がっていくよね。それが次の知識の獲得にも繋がる可能性も出てくるってこと。図書館はその為のハブにもなり得るよね。
もう一つは、コミュニケーション。
友達同士がそれぞれ思い思いに本を読んでいながら、読んでいる本になんとなくお互いが刺激を受けるのです。図書館は、本を読む人の姿にあふれています。人の顔と本の顔がつながって感じられる体験は、図書館固有のものなのです。そう、独立系のようであって、そうでもない。微妙な繋がりってあるけど、そんな感覚かな。隣の人の読んでいる本が気になったり、話しかけてみたくなったり。
最後は図書館の未来。キーワードは拡張。
そうなるならば、それは、図書館の新しいアウトライン(領域)の獲得ですし、閉じた空間の概念を超えて、「知が時空を流通する」、つまり時空を超えた図書館の概念が広がるでしょう。となるみたい。時空を超えた図書館って…なんだか宇宙っぽいけど、楽しみだなぁ〜。
触発する図書館―空間が創造力を育てる | |
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