武器としての決断思考/瀧本哲史

武器としての決断思考 (星海社新書)』を読んだよ。ロジカルに決断する。

「武器」って書くとちょっと不気味な感じがするけれども、戦うのは議論でというのが趣旨。その前になぜ議論が必要なのかという点が重要で、自分的には後半のディベートの手法よりも興味深く読めた感じ。
さらに、その議論を正しい決断に結びつけていくためにはどうしたらいいかとまとめたのが本書。と、ちょっと遠回しの言い方になってしまったかもしれないけど。

さて、そもそも議論は何のためにあるのか?結論を出すため?その結論も変化の激しい時代には危ういものとなりやすい。だから、筆者は、

基本的に正しいことはなんだかよくわからないから、議論を通して「いまの最善解」を考えていこうよ、ということです。
と言い、さらには、その最善解にいたる道筋が重要だとも。道筋がしっかりしていれば、前提条件が変われば、その道筋を通って、異なる結論が自動的に導かれるわけだからね。

そして、後半はディベートの手法。基本はメリットとデメリットを比較するということ。当然ながら、人間関係とか感情は抜きにして考えないと正しい結論は導けないわけだけど、往々にしてそれが出来ない場合が多いのが日本人。よくあるのが結論は決めているのに相談してくるパターン。ディベート的には、

その人がどう思うかなんてことはまったく関係なく、その行動によるメリットとデメリットをちゃんと比較して結論を導き出してあげることが実は本当の親切なのですが、なかなか理解されずにいつも私自身こまっています……。
というようなことに。ディベート的な思考法は理解されないことが多そうな気がするよね。

そう、ディベート的思考法は論理的ゆえにドライ。だから、

突き放しているように聞こえるかもしれませんが、なんらかの絶対解や真実を求めるようとすることは、「誰かの決めた正解」や、すでに役割を終えた「古い意思決定」に頼ってしまうという、もっとも危険な考え方、そして生き方につながります。
と手厳しくもなる。そう、自分の意志で生きるって厳しいこと。敢えてそれを選択せよと筆者は言っているんだよね。まさに、武器を持つってそういうことなんだろうなぁ〜。
武器としての決断思考 (星海社新書)
武器としての決断思考 (星海社新書)瀧本 哲史

講談社 2011-09-22
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