オープンエデュケーション/重田勝介

オープンエデュケーション』を読んだよ。日本の大学は危機感無し。

発刊が2014年12月だから、ちょうど日本ではJMOOCが始まった頃だったかね。日本の有名大学ではOCWとかも始まっていて、いよいよ教育のオープン化が日本でも始まるか…と勢いづいていた時期かもしれない。ということで、当時はタイムリーな本だんだろうね。

内容としては、その教育のオープン化がテーマ。その手段としてのインターネットがあって、オープン化に取り組む組織があって、それを受益する人々がいて、どういう仕組みになっているのか…という内容をまとめたもの。

前半はオープン化に行き着く前のメディア論。教育はメディアを通じて伝達されてきていたから。だから、『知の進化論』と内容が重複したけど。メディアの進化はインターネットに行くつくわけなんだけど、これにより、

それゆえ、オープンエデュケーションは、教育機会を拡大するという社会貢献活動だといえる。
と筆者。そう、誰でもどこでもいつでもっていう感じだよね。さらに、オープン教材は教育コストの低減にも貢献するとも言っているよ。米国では教科書代の高騰化が問題になっているとか…。

さて、米国から広まっているオープンエデュケーション。翻って我が日本ではということになると、

寄付団体や政府補助などの財政的基盤が乏しいこと、海外の諸外国と比べ高等教育の抱える問題がまだ顕在化していないことが、オープンエデュケーションの活動がわが国で広まりにくい背景だと考えられる。
と言う。この状況って、いまでもそれほど変わっていないような気がする。日本の高等教育機関は変えようとする気がないだけのような…。そう、JMOOCもブーム的に下火の印象があるし…。

内容的には読み物というより、レポートという印象。何となく平板な感じに落ち着いているのが残念な感じ。専門家としての大学教員が書いているから、そうなるのか…。もう少し突っ込んだ話が読みたかったなぁ〜。

オープンエデュケーション
オープンエデュケーション重田勝介

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