統計学が最強の学問である[ビジネス編]/西内啓

統計学が最強の学問である[ビジネス編]―――データを利益に変える知恵とデザイン』を読んだよ。実践編より実践的。

このシリーズも3作目。一時期の統計ブームは下火になったかと思ったけど、ビッグデータやIoTなどの影響力が大きく、いまだにつづている感じ。そう、教育業界もエビデンスに基づく云々っていうのがなお叫ばれ続けている状況だから。

そんな状況で第3弾は[ビジネス編]。前回の[実践編]とどこが違うかというと微妙なんだけど、どちらかと言うと本書は統計学というよりも、ビジネスモデルの中で統計学をどう使うかという話。だから、ビジネスの話が主で、統計は後付けという感じ。使われる統計手法もほとんどが[実践編]で登場したものばかりだから。

では、どんなビジネスシーンで統計学を使うのか。まずは、「経営戦略」。どの産業のどの分野で戦うのか。どんな組織でどんな技術が必要かetc。そして、視点を社内に向け、「採用人事」。どんな経歴の人物を採用するのか。採用試験でその人材がどこまで分かるのかetc。3つ目は「マーケティング」。セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングと4つのP。最後は、「オペレーション」。ボトルネックは何か。生産性をどう向上させるかetc。
と、それぞれテーマは違うんだけど、統計学的にやることはどれも同じ。つぎの5つをそれぞれのテーマの場合で繰り返す。

  1. 分析対象の設定
  2. 説明変数のアイデア出し
  3. 必要なデータの収集
  4. 得られたデータの分析
  5. 分析結果の解釈

もちろん、それぞれのステップで使う手法はテーマによって違うんだけど、流れはこれでok。あえて言えば、一番重要だと感じたのは、「2.説明変数のアイデア出し」のような気がするよ。

最後に筆者のこんなセリフを紹介。

ビジネスマンがデータを分析しようという際には、研究者と違い必ずしも「人類がまだわかっていない重要なこと」を明らかにする必要はない。最低限「自社の多くの人間がまだわかっていない重要なこと」を発見しさえすればいい。
と。こう言われると多少気が楽になる気もするんだけど、やっぱり社内という世界の中では、それなりにプレッシャーのかかる仕事じゃないかなぁ〜。
統計学が最強の学問である[ビジネス編]―――データを利益に変える知恵とデザイン
統計学が最強の学問である[ビジネス編]―――データを利益に変える知恵とデザイン西内 啓

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