マネジメント[エッセンシャル版]/P.F.ドラッカー
『マネジメント[エッセンシャル版]』を読んだよ。何度も読み返したい。
『もしドラ』は数年前に読んでいたけど、その原本はKindle版積読本のうちの一冊。このところ、積読本の取り崩しに掛かっているので、重い腰を上げて、ようやく読了。
本書はドラッカー氏の『マネジメント―課題・責任・実践』から筆者自身が重要と思われる部分を抜粋したもの。エッセンシャル版とも言っているけれども、副題は「基本と原則」。この「基本と原則」というキーワードが重要なわけで、筆者自身も、何事においても基本と原則に反するものは例外なく破綻すると冒頭で宣言しているよ。
だから、マネジメントの使命、目的、役割、組織、仕事、トップマネジメント、戦略などのマネジメントに必要なそれぞれの項目について、その基本と原則を述べたものというのが、本書の骨格になっているよ。
で、自分なりにまとめた本書の肝は、「われわれの事業は何か、何になるか、何であるべきか」という問い。これは戦略にも必要だし、イノベーションにも必要なこと。そして、企業のみならず、非営利組織でも共通する問いなんだと思う。特に、「われわれの事業は何か」という問いは成功している時にこそ、必要な問いなのだと筆者。成功している時にそんなことを考えるのはナンセンスのように思われるかもしれないけど、今の成功は必ずや陳腐化するわけで、成功している時こそ、修正、延長、発展の戦略が必要なんだよね。
「われわれの事業は何であるべきか」も大事。これはイノベーションのための問い。さらには、「なにを捨てるか」という問いもあるんだよね。
事業を定義することは難しい。苦痛は大きく、リスクも大きい。しかし事業の定義があって初めて、目標を設定し、戦略を発展させ、資源を集中し、活動を開始することができる。業績をあげるべくマネジメントできるようになる。とドラッカー氏。
最後にもうひとつ。それは、「成果を中心に、機会に集中する」ということ。逆にいうと、「問題中心になってはいけない」ということ。これって、特に非営利組織では忘れがちなこと。頭に叩き込んでおかなければならない言葉だなぁ〜。ドラッカーさん、ありがとう。
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