ヤバイ経済学/スティーヴン・D・レヴィット,スティーヴン・J・ダブナー
『ヤバい経済学 [増補改訂版]』を読んだよ。これが経済学なのだろうか。
『ヤバイ統計学』を読む前から注目していた本書。年末年始の休みに読破するにはちょうどいいかと重い腰を上げて選択。内容的には『ヤバイ統計学』風なんだけど、本書の方が本家本元なわけで、それだけにかなり濃い感じ。で、書かれている内容は、テーマ無しで筆者が興味を持ったものについて、ひたすらデータを集めて分析してみるということ。
あえて経済学の部分を探ろうとすれば、「インセンティブ」がキーワードになっている点か。もちろん、正のそれもあれば、負のそれもあり、それらが人々の行動の根拠となるということかな。序章では、
インセンティブは現代の日常の礎である。と言っているし。
さらに言うと本書の立場というのも面白い。
通念はだいだい間違っている。とか、
何をどうやって測るべきかを知っていれば混み入った世界はずっとわかりやすくなる。とか。これらの立場から、筆者が面白いと思う課題を取り上げて、分析を試み、その結論を導き出す。
さて、その課題。どれを取り上げても、興味深いものばかり。
秀逸なのが「犯罪現象の原因は何か?」というもの。のちに賛否両論を生むものになるんだけど、あっと驚く原因。仮説を立てて、データを分析することで、こんなことが分かるのか…という感じ。
微妙なのは、因果関係なのか相関関係なのかという点。これもよくよく考えてみれば分かるんだけど、単なる相関関係が通念になったりしていると厄介だよね。
そう、エビデンスドベースの議論って、まさに本書に書いてあるようなことなんだろうね。
ヤバい経済学 [増補改訂版] | |
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