ロウソクの科学/ファラデー

ロウソクの科学 (岩波文庫)』を読んだよ。楽しい科学の実験室。

中学の時、技術家庭の先生が『ロウソクの科学』は読んでおけって言っていたのを、今でもよく覚えている。先生の名前は忘れてしまったのに…。
それからかれこれ30年、一度も読まずに人生を過ごしてきたけど、このタイミングでついに読了。「先生、読んだよ。」と伝えたい。もう亡くなっているかなぁ〜。
おっと、また前段が長くなってしまった。

で、本書はイギリスの科学者であるマイケル・ファラデーが英国王立研究所のクリスマス講演を行った際の内容を編集したもの。(あまりにも有名なので、こんな概要すら説明する必要はないのかなとも思うけど。)

ロウソクを材料に、その燃焼を観察することから始まる。その炎をじっくりと観察すると、そこからさまざまな発見が生まれ、さらに新たな疑問が出てくると、それを実験によって確かめる。結局、その繰り返しなんだけど、それこそ科学的な考え方と行動なんだよね。

中盤からは、ロウソクの燃焼によって生成される物質を観察し、ついには気体の発見に及ぶ。水素、酸素から始まり、炭素まで暴いていくのは、まるで手品を見ているかのよう。
後半は、それらの気体と生物の関係。

ロウソクは空気の一部と化合して、二酸化炭素を生じ、熱を発生します。肺の中でも、この驚くべき変化が起こります。
ちょっと分かり難いかもしれないけど、肺もロウソクも空気を二酸化炭素に変換していることに変わりはないということを言いたいわけ。うん、ロウソクの話がここまで発展したか…と感慨。

最後にファラデーからの少年少女へのメッセージ。

すなわち皆さんのすべての行動において、人類に対する皆さんの義務の遂行において、皆さんの行動を正しく、有益なものにすることによって、ロウソクのように世界を照らしてください。
と。これも少年少女には分かり難い言葉かもしれないね。でも、ロウソクで世界を照らすって、イメージとして彼らの頭にインプットされていったんだろうなぁ〜。
ロウソクの科学 (岩波文庫)
ロウソクの科学 (岩波文庫)ファラデー 竹内 敬人

岩波書店 2010-09-16
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