未来の図書館、はじめませんか?/岡本真,森旭彦

未来の図書館、はじめませんか?』を読んだよ。これはビジネス書だ。

佐賀県武雄市の図書館がメディアで話題になってからというもの、今ちょっとした図書館ブーム。っていうか注目されていることは確か。蔦屋書店しかり、本の周辺が騒がしくなっていて、本そのものっていうより、本を巡る環境にも注目されて始めているって感じかな。本がある場所と言えば、まずは図書館だからね。

という訳で、本書はその図書館の未来について語るもの。どうしてこのタイミングかというと、70年代に続々と建てられた公共図書館がそろそろ建て直しの時期に来ているということもあるんだろうね。だから、まずは、「図面から生まれる図書館は正しいのか」という問いから始まる。当然ながら、建物ありきではダメ。そのビジョンが重要であり、ビジョンなき図書館は単なる箱ものと化してしまうわけ。
では、未来の図書館をどのように考えたらいいのか?そこでの考え方の一つが「VMSO」。筆者が前職のヤフーで教わったというもの。経営的発想だよね。このVMSOのうち、一番重要なのはVision。これが共有化されていれば、セルフガバナンス効果が効き、うまく事が運ぶっていうわけ。つまりは、判断の根拠として、いつでもVisionという原点に戻れるってことだよね。
この考え方を図書館に活かすとどうなるか。

「図書館がつくられることで、市民はどんな恩恵を受け、どのような課題が解決されうるのか」、これをまず最初に定め、VMSOを策定し実行することが大切なのではないでしょうか。そしてそれこそが、いわゆる“お役所仕事”から抜け出す方法の一つなのかもしれません。
うん、VMSOでお役所仕事から抜け出したい。

未来の図書館の為のもう一つの観点は「まちの課題」は何か?ということ。

図書館は、まずは地域の課題が出発点です。課題が見つからないままに「図書館でまちづくり」とだけ言っても、その図書館は「まちの課題を何も解決できない」という特徴を持ち合わせるだけに終わってしまうでしょう。
そう、これもVisionに繋がることだよね。しかも、まちのVisionも確認する必要があるってこと。だから、市区町村の総合計画を見ておけとも。

後半はアイデア出しの手法などの紹介があり、図書館の本だけど、これは完全にビジネス書。「図書館」を「会社」とか「組織」に読み替えて、応用できそうです〜。

未来の図書館、はじめませんか?
未来の図書館、はじめませんか?岡本 真 森 旭彦

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