世界はひとつの教室/サルマン・カーン
『世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション』を読んだよ。教育はいつまでもこのままでいいのか…。
学校教育での授業はどう変わるのか?ということが業界的な話題になっているけど、その急先鋒が反転授業。そんなことを調べているうちに、登場したのが、本書の筆者であるサルマン・カーン氏。TEDでのスピーチも素晴らしく、本当に教育はこう変わっていってほしいと思うほど。
ということで、本書はそのサルマン・カーン氏がカーンアカデミーについてまとめたもの。夏休みの課題図書として適切なんじゃないかな。
では、カーン氏の考えていることはなにか。
教育においてテクノロジーは恐れるものではなく、受け入れるべきものである。コンピュータレッスンを上手に賢く利用すれば、先生は本来すべき指導がしやすくなり、教室はぼんやりと座っているだけの場所ではなく、相互支援のためのワークショップへと様変わりするのだ、と。ここでは、教室をぼんやりと座っているだけの場所にしないという点がポイント。そうならないための仕組みがカーンアカデミーであり、反転授業なんだよね。
さらに、現行の教育モデルは本当に正しいのか?という基本的な問い。
教育に有意義な変化をもたらそう、指導や学習を現実の世界に適応させようとするのではあれば、まずやらなかればならないのは、現在主流の教育モデルが必然でもなんでもなかったと知ることです。うん、これも大事。システムってあくまでも恣意的なものだし。だから、例としてプロイセン・モデルが出てくるわけ。
書きたいことは山ほどあるけど、最後は夏休みについて。
いまの夏休みは、時間とお金の壮大なる無駄です。世界中で、何百億〜何千億ドルにも相当する教育インフラ(校舎や実験室、体育館)がもぬけの殻のまま、ほとんど使われないのです。先生は教鞭をとらず、事務方は事務をしない。最悪なのはもちろん、生徒が学習しないことです。あ〜、言われてしまった…という感じ。休みボケってホントにあると思う。脳科学的にも鍛え続けることが大切なんだし。だから、ここでも「夏休みって何なんだろ」と基本的な問いに戻るわけ。
この新しい教育モデルの潮流がいつかは本流になっていくのかなぁ〜。いや、なってほしいなぁ〜。
世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション | |
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