樹木ハカセになろう/石井誠治
『樹木ハカセになろう (岩波ジュニア新書)』を読んだよ。うん、なりたい。
子どもの頃から山には通っていたけど、若いうちは植物にはトンと興味がなく、いくら綺麗な花が咲いていようが、まったく無関心だったアッシ。
それがいつの間にか関心を持つようになったわけだけど、最初はやっぱり草の花。歩いていれば自然と目につくし、何となくアッシ好みの花が多かったから。
花観察の次のステップは樹木の花になるんだけど、これがいまだに進歩せず。幹の色合い、模様、葉の形とかで判断せざるを得ないのがそれを難しくしている要因。まだまだ修行が足りず。
ということで、樹木を少しでも知るために本書。身近な樹木から山の樹木まで、その生態と人間との関係を知るにはまずはこの一冊という感じ。
では、我々は樹木のことをどれだけ知っているだろうか。例えば、燃料用の木のことを「柴木」ということも知らなかったし、
昔話の中で、おじいさんが山に芝刈りに行くというのは、森の柴木を集めて、背負子で担いでくるのがおじいさんの仕事だったからです。ということも初耳。そりゃそうだ。昔の日本に芝生なんて無かったんだよね。それだけ、樹木のことを分かっていないということなんだよね。
では、木の生き方はどんなだろうか。
まずは人間のように脳がないのに、何を感じ、どう反応しているのか?これには、
葉がつくりだす植物ホルモンや有機物の量や濃度が、枝や幹、根や芽の伸長をコントロールしています。まさに葉の集合体が木の頭脳ともいえるのです。と説明しているよ。それを知ってか知らずか、人間は無暗な剪定をするわけで。
もう一つは、可哀そうな樹木の話。その代表として取り上げられるのはスギ。そう、スギ花粉。そもそもスギ花粉だけが悪者なわけではなく、排気ガスや人間の体質の変化など複合的な要因が重なっていることが原因。それなのに、
スギの花粉に責任を転嫁させ、花粉の出ないスギに植えかえることが話題になっています。これは本末転倒です。ということに。人間てなんて自己中心的なんでしょう。
物言わず、粛々となすべきことをなす。そんな樹木の生き方が好き。もっと樹木を知るために、樹木ハカセになりたいなぁ〜。
樹木ハカセになろう (岩波ジュニア新書) | |
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