生命のふしぎ/星新一

生命のふしぎ』を読んだよ。SF的科学本。

ショートショート星新一氏が書いた科学読み物。SF的って書いたけど、SFじゃなくて、まじめな本。
自分的には、小学校高学年から中学に掛けて、星氏のショートショートを読みまくったっけ。「四で割って」なんて、ボーイスカウトで演劇に仕立て上げたりしたし。

一応、新潮文庫だけど図書館にはなく、今回は電子書籍版。底本は初版の昭和34年のもの。だから、古いと言えば古いけど、生命について科学的に俯瞰するには十分なくらい内容は充実しているよ。
で、どう充実しているのかというと、生命そのものの話は福岡ハカセ風だし、生命の起源で言えば長沼毅先生風、脳科学では茂木健一郎先生風もあり、さらに宇宙論までいくと佐藤勝彦先生風。勿論これらの先生方は、筆者より後の人であるわけ。だから。彼らが本書を読んでから、自分自身の道に進んだという可能性がないわけではないし。逆にそうだったら楽しいだろうなぁ〜なんて、想像したりして。

内容はどんと端折って、生命と言えば やっぱり人間の話。ロボット(機械)と人間の関係について、筆者は、

むろん人類はさらにすぐれた機械の出現によって得られた余裕を、人類をふくめた全生物の向上のために、さらに未知の世界の探求のために、そそぎこむようになるだろうことは自明である。
と語る。そう、今でもそれを繰り返し続けているよね。自明というか、それが人間の宿命というか…。

最後は、科学の進歩の要因について、

科学の進歩を、ささえ、おしすすめるものは、わたしたちの夢をいだく能力と、それを実現しようとして着実な努力を続ける情熱との二つである。
と語る。夢と情熱、これってやっぱり人間っぽいなぁ〜。

途中で入るSF的挿話がショートショート風で、それも楽しませる本書でした〜。

生命のふしぎ
生命のふしぎ星 新一

新潮社 2012-03-16
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