七瀬ふたたび/筒井康隆

七瀬ふたたび (新潮文庫)』を読んだよ。エスパーになってみたい。

筒井康隆七瀬シリーズ第2弾。第1弾の『家族八景』は七瀬がお手伝いさんとして、さまざまな家庭事情の中で事件が起きていくというもの。今回はシチュエーションが変わり、七瀬は高級バーのホステス。七瀬は美貌の持ち主らしいから、お手伝いさんでもホステスでもモテモテに変わりはないんだけど。
シチュエーションも変わったけど、前作との違いは登場人物。七瀬はテレパスだけど、それ以外の超能力を持った仲間?が登場するというわけ。そして、エスパーを抹殺しようとたくらむ暗黒組織との闘いにハラハラドキドキ。最後は、エスパーといえど人間に変わりはないということで、ちょろっと泣けるシーンも。

そして、エスパーであるが故の苦悩。七瀬は他のエスパーから、

「君には想像できないだろう。他人に心を覗かれて、しかも心を覗かれたことを知った人間の苦しみは。君がぼくの心を覗かないと約束したって、誰がそれを保証する」
と言われる。これって、七瀬にとっては、何も言い返せないセリフだよね。

それにしても、毎度のピンチを超能力で切り抜ける七瀬の頭のよさに脱帽。単に超能力があるだけではダメで、その能力を生かすには地頭力ってのが必要なんだろうなぁ〜と実感しました〜。

七瀬ふたたび (新潮文庫)
七瀬ふたたび (新潮文庫)筒井 康隆

新潮社 1978-11-30
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