日本の山と高山植物/小泉武栄
『日本の山と高山植物 (平凡社新書)』を読んだよ。地学が好き。
高校の時、何故か地学部。地球の動きに心惹かれて続けているわけだけど、いまだにこの系統の本は読みたいなと思う。地学も好きだけど、山が好きっていう要因もあるかも。
で、筆者の小泉武栄氏の著作は過去に何冊か読んだことがあったので、今回は再読の気分。アッシが過去に読んだ本と重複する部分があるのは確かだけど、改めて読んでみるとまた新たな発見があったりするよ。
で、本書。
前半は山と植物の関係について。そして、何度も出てくるのが、日本の自然は特殊であるということ。日本で見る自然は、他の国ではあり得ないことが多いと。例えば、
私たちがみる日本の高山の景色は、けっしてあたりまえのものではないのである。とか、
日本の山が世界一の強風・多雪の環境にあることの影響は大きい。もしそうでなかったとしたら、日本アルプスや大雪山、飯豊山などの山々にも高山植物はなかったに違いない。といった表現が多々有り。そう、世界的な基準では考えられないほどの低山に高山植物が生育する日本。辺境の地なんだよね。
後半は地質とか地形とかの地学的要素。勿論、それらが植生に関わってくるんだけど。そこで話は地球規模になってくる。これが、
実は現在の地球で、地球科学上もっとも重要だと考えられる事件は、インド亜大陸とユーラシアプレートとの衝突である。<中略>その影響がわが国まで及び、わが国の山脈を隆起させる原動力になった。という記述。そう、それは壮大な話だよね。辺境の地まで影響を及ぼすんだから。
さらに、この小規模版が日本でもあるわけ。それが、伊豆半島の衝突。東北日本にも、西日本にも影響を及ぼし、今日の日本列島があるわけだとか。
うん、こういう話は楽しすぎる。ロマンだよなぁ〜。でも、人間なんてちっぽけだよなぁ〜って改めて思わされる一冊でした〜。
日本の山と高山植物 (平凡社新書) | |
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