迷宮/清水義範

迷宮 (集英社文庫)』を読んだよ。これもパスティーシュか?

一時期は読み漁っていた清水センセー。多作なセンセーなので、当然読み切っているわけでもなく、このところはターゲットを決めて、定期的には読んでいこうという感じ。
ということで、本書。
ある殺人事件が物語の中心なので、一見、ミステリー風。その事件の詳細を「事件記録」、「週刊誌報道」、「取材記録」、「手紙」、「供述調書」の6種類の文体で表現する。ここがまずはパスティーシュになっているよ。でも、それぞれの文書を読み進むうちに、事件の真相が徐々に解明されていくという流れが、ミステリー風というわけ。
もう一つの特徴は、「小説中小説」という手法。よくあるパターンだけど、本書のそれはよくよく考えて読まないと、どっちが小説なのか小説中小説なのか分からなくなりそう。とは言え、アッシ的には、6種類の文体のうち、この小説中小説がお気に入り。特に中断されたラストシーンがいいよね。
最後に解説の一文を紹介。

しかし、実のところ本書は、二度読むとさらに深い満足が得られる仕掛けになっている。
と。そう、普通のミステリーでは考えられないけど、清水センセーのパスティーシュだから、そういうことが言えるんだろうね。忘れた頃に、もう一度読もうかなぁ〜。
迷宮 (集英社文庫)
迷宮 (集英社文庫)清水 義範

集英社 2002-05
売り上げランキング : 703438


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ