第四間氷期/安部公房

第四間氷期 (新潮文庫)』を読んだよ。何故に読み難いのだろう。

安部公房を読んだのは何年ぶりだろう。っていうか何十年ぶりだろう。多分、中学か高校だったと思うけど、読んだのも『砂の女』だったか、『他人の顔』だったか、記憶に無し。思い出すのは、なんだかよく分からないという読後感。そんな印象の阿部公房をどうして今回は読む気になったのだろう。多分、何かのきっかけはあったんだと思うけど。

で、今回の読後感は?というと、やっぱり同じ。本書のタイトルの意味が最後の方でやっと判明するわけで、キーワードとなる「予言機械」は単なるきっかけにすぎなかったり。そして、長編SFと紹介されているけれども、SFチックな感じはまったくせず。どちらかというと 、前半は推理小説風で、後半は夢物語と言えるかも。

結局は何が言いたかったのだろうかと想像するに、「未来の残忍性」といったものかもしれないね。例えば、こんなセリフ。

「人を殺したら悪いのは、それが相手の肉体を奪うからではなく、未来を奪うからなんだ。われわれがよく、命がおしいという…考えみれば、その命とは、要するに未来のことなんだな。」
とか、あとがきで著者曰く、
だが、読者に、未来の残酷さとの対決をせまり、苦悩と緊張をよびさまし、内部の対話を誘発することが出来れば、それでこの小説の目的は一応はたされたのだ。
と。
未来の残酷さとの対決かぁ…。いまだにピンと来ないのは、中高生の頃から成長していないからなのかなぁ〜 。
第四間氷期 (新潮文庫)
第四間氷期 (新潮文庫)安部 公房

新潮社 1970-11-27
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