リクルートという奇跡/藤原和博

リクルートという奇跡 (文春文庫)』を読んだよ。大仰なタイトルのような気がするけど。

本書は、藤原和博氏がリクルート社員時代に経験したリクルート社のあれこれをまとめたもの。アッシ的には、元和田中学校長の藤原氏というイメージが強く、それに関する本は過去に何冊かを読了。でも、氏の原点であるリクルートという会社を詳しく知りたいと思っていて、本書はそれに応える本に思えたから。

では、リクルートとはどんな会社だったのか。発行する媒体が雑誌のようでもあり広告のようでもあり、また、流通の仕方も独特。でもこれはあくまでもカタチの話。リクルートの特徴はズバリ社員。ひとつの例としては、「伝説の営業マン」。これを、

ただ単発的な大型受注をしただけではダメで、新しい採用システムを提案しながら相手の懐深く食い込んで、社長の考え方や会社の制度そのものを一新させた実績がなければ、与えられない称号だった。
と説明しているよ。これって仕事的には、最高に面白いよね。営業の力でここまでやれるって、スゴイこと。

そして、人材の採用の面でも独特。社長自らが、これぞという人物には直接面接にあたるとか。さらには、独立していく社員の多さ。これは制度の問題ではなく、採用の問題であるという筆者。

もともとサラリーマンとしては不向きで、一国一城の主となる資質の人を採用しているから、自然そうなる。
と、ちょっと言い過ぎとは言っているけれども、これは本質的なものなのかも。藤原氏もその一人だったわけだし。

後半は、リクルート事件ダイエーへの買収とピンチを何度も乗り越えるリクルートを描く。これも、リクルートマンという精神の具現化だったのかもしれないね。そのリクルートマン精神は創業者である江副氏そのものだったんだろうね。そう、最近のリクルート、メディアであまり聞かないけど、どうしているんだろ。ちょっと気になる。

リクルートという奇跡 (文春文庫)
リクルートという奇跡 (文春文庫)藤原 和博

文藝春秋 2005-09-02
売り上げランキング : 28713


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ