謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?/栗田昌裕
『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』を読んだよ。それは生きる為なんだろうけど。
夏、山に行くと、よく見かけるアサギマダラ。昆虫の類いはそれほど詳しくないけれど、その独特の色合いと飛ぶ姿の優美さで、アッシの記憶にも残っている蝶の一種類。
その蝶が海を渡る?そう、山でしか見かけないので、このギャップは何なんだ…という感じで、本書に思わず手が伸びたというわけ。
で、本書のほとんどが筆者によるアサギマダラ観察の記録。特に、マーキングによるアサギマダラの移動を追い、その行動範囲やパターンを分析するというもの。とは言え、北は福島県の裏磐梯から南は奄美大島までだから、そうそう簡単な話ではないよね。
では、筆者がアサギマダラを追いかける同期は何なのだろうか?
「印象:アサギマダラは、不思議な影響力を持っていると思う。
周辺を飛び回るときにそれを感じる。
何かを発しているのではないか。調べてみたい」。
とアサギマダラにマーキングを始めた頃、日記に綴る筆者。第六感というか直感というか、ピンと来るものがあったんだろうね。
そして、数学者でもあり医者でもある筆者は、アサギマダラの行動を確率的に捉えようとしているよ。これを、
これはアサギマダラが「確率に従う世界の中にいながら、いつも確率を超えようとして生きている存在である」ことを示唆していると感じられたのです。
と表現しているよ。さらには、これはアサギマダラだけに限らず、生物はすべてがそういうものではないだろうか…とも。確率論が出てくると、量子的ふるまいなのか?なんて思ってしまうけど、どうなんだろ。
難しいことはともかく今年も夏に山に行ったら、アサギマダラに会えるかも。また、違った見方で楽しめるかな。マーキングが気になったりして…。
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