文系のためのエネルギー入門/リチャード・A・ムラー

バークレー白熱教室講義録 文系のためのエネルギー入門』を読んだよ。「白熱教室」って単なる流行になっちまった?

NHK人気番組「バークレー白熱教室」の書籍化って書いてあるから、多分TV番組でも放送されたのかもしれないけど、「ハーバード白熱教室」とどう違うのって感じ。
まっ、それはともかく、本書はそのカリフォルニア大学バークレー校の人気教授リチャード・A・ムラーによる5回の講義録。そして、テーマはエネルギー。

では、どんな講義内容なのか?
最初の2回分は、さまざまなエネルギー源に関すること。いわゆる化石燃料と言われている石油、石炭、天然ガスの他に、太陽光、風力、地熱、波力、バイオ、そして原子力。どのエネルギーも特徴があり一長一短。それって言葉としてはそうだけど、決定的なエネルギーではないってことなんだよね。
あとは、コストの問題。太陽光だって、商用化されてからだいぶコストが下がったと言っても、普及が進んでいるって感じでもなく、そのうち助成金も出なくなったりして、尻すぼみの感が否めないし。風力も一見有望そうだけど、送電網の整備が普及のポイントということで、これは莫大な費用が掛かること。

そして、エネルギーと切っても切り離せないのが、地球温暖化について。根本的な話だけど、地球温暖化は事実なのか?ムラー教授は、

「私たちが考えている地球温暖化は事実である。だが、ほとんどの気候変動は地球温暖化とは関係ない」
と言っているよ。う〜ん、微妙な…。その事実というのも、地球の歴史的スパンで言ったら、誤差の範囲だと思うんだけど。
さらには、事実だという前提のもとに、
地球温暖化のマイナス面は、人類がかつて経験しなかった変化をもたらすことだと思う。それが平和を破壊する。だから温暖化は良くないと思っている。
と。う〜ん、それなら地球温暖化は嘘であると言ってしまえばいいのに…。

最終回はエネルギーの未来について。
アメリカではシェールガスが次世代エネルギーの最有力候補だけども、これにも多々問題有り。本書では結論らしきものを提示してはいないけれども、何ヶ所かで出てくる省エネルギーアメリカは省エネなんかに興味がないのかと思っていたけど、そうでもなかったということ。アッシ的にはエネルギー源を求めるより、まずは省エネ推進派なので、これを知ったことは収穫。是非とも、アメリカには省エネを頑張ってほしいなぁ〜と思うのでありました〜。

バークレー白熱教室講義録 文系のためのエネルギー入門
バークレー白熱教室講義録 文系のためのエネルギー入門リチャード・A・ムラー NHKバークレー白熱教室」制作チーム+杉田晶子

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