県庁おもてなし課/有川浩

県庁おもてなし課 (角川文庫)』を読んだよ。時間が一番のコストだ。

最近、ハマっている有川浩氏の作品。何故かと考えてみるに、その素材がアッシに合っているというか、興味があるというか…。図書館然り、この県庁然り。特に、この県庁は非営利団体の仕事って何?ってことに繋がっているからね。

さて、物語の舞台は高知県の県庁。観光部おもてなし課。課の名前がユニークだけど、実際に高知県庁にはこの課が実在する。で、おもてなし課の若手男性職員がこの物語の主人公。高知県に観光客を如何に呼び込むかが彼の仕事な訳だけど、それがまったくのお役所仕事。そこに登場するのが、高知県出身で東京在住の若手作家。お役所仕事にビシバシとダメ出しする。

そのダメ出しとは、時間感覚の無さとか民間との視点の違いとか。そう、これら大昔から言われているお役所仕事の代名詞のようなもの。分かっちゃいるけど止められないというのも昔からなんだろうけど、主人公はこれを打破しようと奮闘する。

何度もピンチを乗り越えていくけれども、最大のピンチが訪れた時の主人公の思い。

あなたが納得するかどうか知らない。ただ俺たちは、誰がいてもいなくても自分たちの全力で踊るだけだ。
それがどんなに無様でも、滑稽でも。でたらめに、がむしゃらに。だからあんたはそこで見ていろ。踊れと突きつけたあんたは見届けろ。

と。若い彼だからこそ、そうやって頑張れるんだよね。羨ましくもあり、頼もしくもあり。

物語の結末はまだまだ続きがありそうな感じで終わるんだけど、それはそれで読者の想像を膨らませるという意味でいいよね。

最後に、筆者が巻末の対談でおもてなし課の仕事について、こう言っているよ。

自由であること、やることが決まっていないことが価値である。

そう、「これをやりなさい」って言われていないってことは、ある意味、終わりがない旅のようなもの。自分で目的と目標を設定して実行していくって、貴重な体験だよね。若いうちからこういう仕事を経験できるっていいよね。
おっと、本書の話から脱線したかも。いや、何が言いたいかといえば、お役所仕事からの脱却を頭の中で考えておりました〜。

県庁おもてなし課 (角川文庫)
県庁おもてなし課 (角川文庫)有川 浩

角川書店 2013-04-05
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