くまモンの秘密/熊本県庁チームくまモン
『くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)』を読んだよ。新しい広報の方法。
いつのまにかゆるキャラブームで、日本各地でたくさんのゆるキャラが雨後の筍のように誕生しているよう。でも、結局は全国的に名前が売れているのは数少なく、その中でこのくまモンは成功した事例のひとつ。アッシが知っているんだからね。
本書はそのくまモン誕生の経緯から活躍ぶりをまとめたもの。元々は私家版として自費出版したものなんだけど、このプロジェクトに携わった小山薫堂氏が出版を勧めたことで、この本が誕生したわけ。
本書の冒頭は、くまモンの「KANSAI戦略」から。これは、九州新幹線の開通により、大阪から新幹線直通で行けるようになる熊本を、関西の人たちにアピールしようという戦略。そこで、くまモンを登場させ、関西のアチコチでパフォーマンス。甲子園球場に出没したり、吉本新喜劇に登場したり、神出鬼没風に活動するのが、逆に人々の興味を誘ったり。
そして、効果があったのは1万枚の名刺配り。そこには、32種類のコピーが書かれていて、くまモンのキャラクターに合わせた面白いものばかり。
では、くまモンを誕生させたのは誰なのか。それが本書の筆者である『チームくまモン』。別の名を「しがない地方公務員集団くまモンとおもしろい仲間たち」という熊本県庁の複数の部署にまたがる人たちの集まり。彼らは、小山薫堂氏の著作からヒントを得て、くまモンを育て上げていく。そして、彼らが考えたくまモンの価値を、
メタボ体型のくまモンの脂身はサプライズでできている。そんなくまモンを、他の人のビタミンになるよう育てよう。これがくまモンの「価値」です。と言っているよ。そう、「サプライズ」もくまモンのキーワードになっているよね。小山薫堂氏もよく使っているキーワードだし。
最後のキーワードは「迷ったらGO!」。
そして、最後の大きな方針は「迷ったらGO!」。そこで自己規制してこなかったからこそ、今のくまモンがあり、今後のさらなる進化につながるのだと思います。と。そう、公務員の常識を打ち破る発想…って言うと大袈裟かもしれないけど、この攻めの姿勢が今のくまモンを産んだのかもしれないよね。
その他、フリー、パブリシティーなど、最近のマーケティングの手法を思いっきり投入しているところも成功の秘訣かな。ということで、久しぶりに小山薫堂氏の本をまた読んでみようかなぁ〜。
くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書) | |
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