これからの「正義」の話をしよう/マイケル サンデル
『これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』を読んだよ。政治哲学という領域。
久しぶりの超大作。読み応えのあるというか、本と格闘したというか…。
マイケル・サンデル氏の本は気になりつつも、本の厚さに怖じけづいて、手を付けず仕舞いだったんだけど、大型連休で片付けられるかな?なんて甘い希望的観測で読み始める。結果は大型連休が終わった翌日に何とか読了。返却期限までに読み終えたから、結果オーライだけど。
で、どんな本だったのか。筆者の言葉を借りると、
道徳と政治をめぐる考察の旅をする本だ。ということ。読み終わった今、この言葉の意味が凄くよく理解できる感じ。
うん、それだけ道徳と政治の関係は難しい訳で、本書を読めば読むほど、分からなくなると言ってもいいかも。それじゃ、本末転倒なのかもしれないけど。でも、小学校の時の「道徳」の授業を思い出せば、そのイメージが掴めると思う。正解がないことを考えるんだからね。
さて、正義をどのような切り口で考えているのだろうか?大きな流れとしては、功利主義と自由至上主義の二つ。でも、これらは実は正義に叶うものではなく、道徳という観点からも考える必要性を説く。
もう一つは哲学者の考え方からの切り口。登場人物は、カント、ロールズ、アリストテレスなど。それぞれの主義主張は理解できるけど、やっぱり正義に叶うものでもなく…。
本書の最後で、筆者の一応の結論のようなことを書いてはいるけど、それが正解かどうかはハッキリとしていない。サンデル教授を持ってしても、この問題は難しい。それを考えるための幾つもの事例は考えさせられるものばかりで、思いっきりアタマを使わせられる大書でした〜。
これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) | |
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