もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎夏海

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を読んだよ。遅ればせながら…。

空前のベストセラーとなった『もしドラ』。230万部とか言われていたけど、今ならもっと増えているかも。
これだけブームになっているし、今年の3月にも筆者の講演も聞いたし。ちなみに、今回読んだ本はその講演の時にサイン入りで購入したものなんだけど。

さて、その時の講演のテーマは「今なぜドラッカーなのか」。結局はその答えを得られた講演では無かったけど、要は世の中はスッカリ変わってしまったんだということを実感。分かっているんだけど、ドラッカーに掛けてそんな話をされれば、余計に理解が深まるような…。

さて、本書の話。
あとがきから読むと、この小説のアイデアを筆者のブログに書いたところ、それを本にしてみないかという提案が出版社からあったのがことの始まりだとか。このきっかけの話を聞くだけでも、世の中の変わりようが分かるような気がするよね。一昔前までは、本を出すなんてそんなもんじゃなかったわけだし。

で、小説なのでストーリーをここで書く訳にはいかないので、どんな構成になっているのかだけ。
小説の中では、主人公がドラッカーの『マネジメント』を参考に野球部のマネジメントをしていくわけで、あちこちに『マネジメント』が引用されていているよ。
その中で、アッシ的に気に入った引用が以下。

人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だが、それだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。
まずは、テクニカル的な話ではなく、資質的な側面から入るなんて、なかなかやるなぁ〜という感じ。だって、ドラッカーを読むって、何となく技術を取得するっていうイメージで取り組みそうな気がするから。

そんな感じで、『マネジメント』を引用しながら、主人公が野球部を経営していく。普通の高校生がここまで『マネジメント』を読むこなせるのかがちょっと疑問な感じだけど、それはそれで小説の中の出来事だということで…。

小説らしいストーリー展開があり、ラストのオチもそれなりに面白かったので、良かったよ。
うん、これをきっかけにドラッカーを読んでみようと思う人は多いはず。暫くは、ドラッカーブームは続きそうな感じだよね。アッシも早く『非営利組織の経営』を読まなくては…。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら岩崎 夏海

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