山の遭難/羽根田治
『山の遭難―あなたの山登りは大丈夫か (平凡社新書)』を読んだよ。ズバリ、アッシも中高年登山者。
文字通り、山の遭難に関するリスクマネジメントの本。今年は熊との遭遇が話題になることが多いけど、野生動物とのトラブルも、まさに山でのリスクだよね。それで、遭難することはないだろうけど。
まずは、山の遭難を考えるに当たって、過去の事例から。と言っても、登山がブームになるのは戦後。それ以前は、本当の山の精鋭だけの世界だったんだよね。加藤文太郎や松濤明が有名どころだけど。あと『聖職の碑』とか。
そして、戦後。いくつかの登山ブームを経て、現代は中高年中心の登山ブーム。だから、当然中高年の遭難が増えるわけ。中高年の遭難率が高い訳ではなく、絶対数の問題。だから、若者登山者が増えれば、それなりに若者遭難者も増えるだろうと予想。近頃は山ガールが増えていると言われているけれども、山ガールの遭難なんてカッコ悪いなぁ〜。
では、中高年の遭難が増えている要因は何か。
それは知識や技術不足なんだけど、結局それを継承する組織に属さぬまま、見よう見まねで山をはじめてしまったことが要因であると分析しているよ。高校や大学での山岳部の衰退は、アッシが子供の頃から始まっていたからね。
それに連動して、登山者の意識の変化。主体的ではなく、連れていってもらう…という受動的な態度。百名山ブームもこの受動的態度の登山者がもたらしたものであると。この受動的態度は、近年の登山ツアーの多さにも表れているよね。合わせて、登山ツアーでの遭難も、目立っているし。逆に、ツアーだからこそ、遭難になりやすいとも言えるのかもしれないね。
さて、アッシの場合。
知識や技術の継承は、ボーイスカウトで。ツアーにも参加しないし、百名山にもそれほどこだわらず。確かに体力の低下はあるかもしれないけど、それよりも心配はやっぱりクマ〜かなぁ〜。
山の遭難―あなたの山登りは大丈夫か (平凡社新書) | |
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