電子書籍の衝撃/佐々木俊尚
『電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)』を読んだよ。まだまだ衝撃までは行かなそう。
アッシの周りでも、iPadを購入した御仁が増えてきて、その度にいろいろと蘊蓄を聞くよ。でも、本当に仕事にどう使うかというと、どうもピンと来ないアッシ。使っている人もそうなんだろうけど。ケータイもギリギリまで持たなかったアッシだから、自分なりにピンと来るまではかなりの時間が掛かりそう。
でも、世間はそれを許さない。iPadを買わないまでも、やっぱりどんなものかは机上で確認する必要はあるだろうということで、本書。
まずは、電子ブックでは先行するキンドルと後発のiPadとの比較。ここではどちらが勝つかというより、勝つための条件を音楽を例に説明しているよ。
具体的には、ソニーのウォークマンとアップルのiPod。勝ったのはiPodだけど、その勝因は使いやすい環境を構築したことだと分析。つまりは、iPodというハードウェア、iTunesというソフトウェア、そしてiTunesストアというシステムを揃えたこと。まさに、音楽を聴くための環境構築だよね。
これと同じことが電子書籍にも適用されるであろうというのが筆者の論旨だよ。ここまでが、前半。
後半は、電子書籍の話題というより、日本の出版業界について。過去からの経緯などが詳しく解説されていて、この業界に詳しくないアッシでも、かなり興味深く読めたよ。
そこで、本が売れなくなっている理由について。
若者の活字離れなどを指摘するひともいるけれども、そうではなく、流通の問題であると筆者は指摘しているよ。
特に「委託制」の問題はかなり深刻。本が売れなければ、次々と新刊を出すことで赤字を埋めていく。でも、それはまさに負のスパイラル。これはまずい状況だよね。
筆者の結論としては、電子ブックがこんな状況を打破してくれると。
さて、アッシ的には、結論は微妙。まだまだ、電子メディアで本を読む気にはならず。何でだろう。自分でもよく分からないけど。図書館借りがほとんどだからか。
そう、そういう意味で本がもっと安価になれば、電子ブックだろうと紙の本だろうと買っても読む気になるんだろうね。じゃ、電子ブックがさらに安価に提供されることに期待しようかなぁ〜。
電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書) | |
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