柳井正 わがドラッカー流経営論/NHK「仕事学のすすめ」制作班

柳井 正 わがドラッカー流経営論』を読んだよ。高校野球のマネージャーより実践的。

NHKの番組「仕事学のすすめ」に登場した柳井正の話をまとめたもの。柳井正と言えば、ご存知ユニクロの社長。会社の正式名称はユニクロじゃなくて、ファーストリテイリング。アッシ的には初耳。
タイトルに「ドラッカー」という単語があるように、柳井氏の愛読書はドラッカーの著作。20代の頃に初めて読んだというけれども、やはりピンとはこなかったよう。会社を経営し、規模が大きくなった時に、再びドラッカーを読む。そこで、ようやくドラッカーの言っていることに納得できるようになったと。
うん、アッシも30代の前半に初めてドラッカーの名前を聞いたけど、どうしても読む気になならなかったし。読む気にならないのと読んでもピンとこなかったのは次元が違うか…。

さて、ドラッカー流経営論とは何か。

人間というのは誰にもどこかいいところが必ずあるように、企業にもいいところは必ずあるはずです。短所を自ら責めるよりも長所を評価して、そこを伸ばすことを考えるべきなんです。野菜事業の失敗も、私たちの本当の強みはファッションにある、ということを再認識したという点では意味があったように思います。
そう、強みを伸ばすという戦略。ドラッカーも「あらゆる者が、強みによって報酬を手にする。弱みによってではない。最初に問うべきは、我々の強みは何かである」と言っているよね。

さらには、ドラッカーの説くのは「人」が中心にいる経営論だとも。

彼の著書は、なんのために私たちは商売をするのか、企業は社会においてどういう存在なのか、さらには人間の幸せとはいったい何であるのか、といった根源的な部分にまで深く言及しているんです。だから、読み方次第では哲学書や人間の生き方指南書にもなりうる。
と。これもまさに、「お客様の存在」とか「企業はお客様、ひいては社会の為に存在している」というドラッカーの「人」を中心にした考え方だよね。

最後にドラッカーのいう「知識労働者」。
これは、ホワイトカラーには限らず、工場や農業の場にも必要だと柳井氏。

情報や知識をもとに自分で考え、マニュアルに書かれていないこと、言われていないことを自ら行う「労働者」であれば、職種は関係ないんです。職人であっても、小売業であっても、そういう働き方をする者はすべて「知識労働者」なんですよ。
そう、「知識労働者」とは阿部謹也先生が言うところによる「教養のある人」だよね。

ご存知、ユニクロはいまだ衰えを知らず。ここにはドラッカーが原点にあったとは。ドラッカーの言っていることが、やっと腑に落ちる年齢になったアッシ。早く『非営利組織の経営』を読まなくてはいかんなぁ〜。

柳井正 わがドラッカー流経営論
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