クラウドの衝撃/城田真琴

クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった』を読んだよ。衝撃的だというけれど、今度こそ本当のIT革命か?

今、IT業界では流行りの言葉、クラウド。言葉が登場したのは、かれこれ2年以上前かも。ちょうど、Gmailが一般に広まり出して、iGoogleが登場した時期かもしれないね。
アッシも当時からGmailは日常で使っていたけれども、クラウドについてはピンときていなかったかも。それからはあっという間にGmail流行り。職場のメールシステムも去年からGmailに移行したほど。特にトラブルもなく快適。評判も悪くないし。

さて、本書。
まずは、クラウド・コンピューティングとは何かから解説。究極的には、電気、ガスのようにプラグインすれば、必要なITリソースが利用できるようになること。うん、これはこうなって欲しい。

そして、その技術のひとつが、「エラー忘却型コンピューティング」という考え方に支えられているという。
従来のコンピュータはエラーが発生すると、その旨を伝え、停止するのが普通。でも、クラウドでは停止してしまうのは最悪の結果。可用性を重要視すれば、エラーは無視するのが一番なわけ。まさに発想の転換だよね。

では、使う側はどうするか?
今までは、「ソウトウェアを購入するか、それとも新規に開発するか」の二者択一だったのが、これからは「サービスを受けるか」という選択肢が増える。で、企業活動を分析すると、本当に自社開発しなければならない業務は、コア業務のうちでも、ミッションクリティカルなものだけになりそう。逆にいうと、それ以外はSaaSやPaaSが利用範囲となる。餅は餅屋で…だよね。

最後は「セルフサービス型IT」という考え方。

ユーザー自らが積極的に動かなければ、その無限ともいえるスケーラビリティと柔軟性を備えたITインフラをこれまでにない低料金で利用できるというクラウド・コンピューティングの最大のメリットは享受できない。こうした変化に気づいたユーザーがこの新しいコンピューティング時代に躍進する企業となることだろう。
と。どう考えても、いかに使うかは人次第。コンピュータってそういうもんだとトコトン叩きこまれているんだけど、ユーザは動かず。アッシ的には、このギャップを乗り越えない限り、真のクラウド・コンピューティングの導入には至らないだろうなぁ〜。
クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった
クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった野村総合研究所 城田 真琴

東洋経済新報社 2009-02-06
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