「見えざる手」が経済を動かす/池上彰
『「見えざる手」が経済を動かす』を読んだよ。経済学を再学習。
再学習って書いたけど、最初っから学習した記憶がない…。大学で経済学を取った記憶がないし、「インフレ」という言葉を習ったのは中学の時。それ以来、経済学とは縁が遠い生活をしていたアッシ。
それでも、社会情勢がこういう時代だから、経済のことも知っておかないとマズイよなぁ〜ということで、本書。筆者の池上彰氏も以前から気になっていたし。
まずは「見えざる手」と表現したアダム・スミス。市場原理に基づいて商品の価格が決まることは感覚的には分かるけど、「需要と供給」が「見えざる手」を動かしているんだよね。あら、やっぱり感覚的な理解かなぁ〜。
理解が進んだのは「新自由主義」のこと。元イギリス首相のサッチャーが何故「鉄の女」と言われたのかとか、同時代のレーガンアメリカ大統領や、日本の中曽根首相の政策がどういう意味を持ったいたのかを解説しているよ。
当時は国鉄や電電公社の民営化を普通に受け入れていたけれども、やっぱりその背景があったんだよね。
最後は会社の話。特に株式についての解説が面白いよ。
ただ、人間の浅ましさというか、何でも金儲けの手段にしていく行為がなんとなく恐ろしい気もしてきたわけ。株式を売買の対象にするとか、昨今では排出権取引。いいんだろうか、経済。これも「見えざる手」によるものなのかなぁ〜。
最後に本書の肝を引用。
市場経済を万能視しないこと。市場経済を敵視しないこと。すべてを自己責任にしてしまわない。すべてを「お上頼み」にしない。そう、「資源の最適配分」といえば、OR。経済学で数学が必須なのが分かりました〜。
要はバランスなのですね。そのバランスをどうとるか。これが現代の難問なのです。
人々の努力を最大限に引き出すためには、どうすればいいのか。これが、「資源の最適配分」を考える経済学の課題です。
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