娘と話す 科学ってなに?/池内了

『娘と話す 科学ってなに?』を読んだよ。科学を知ることはその歴史を知ること。

科学って何?という根本的な話を「娘と話す」という感覚で表現した本。とは言っても、本の形になると会話しているというより、娘の質問に答えている話好きのおとーさんの独演という感じ。娘が2行しゃべるとおとーさんが1頁しゃべる。まぁ、そうなるのは必然で、科学を解説するには講義風に成らざるを得ないよね。

冒頭の「はじめに」で娘の素朴な疑問が衝撃的。

父さんは、天文学者のくせに、星座のことはほとんど知らないんだね。
と。科学ってそういう風に理解されているんだよね。数学者でも、計算が苦手な場合があるわけだし。

で、おとーさんが話すことは、科学の歴史。とは言っても、純粋に科学と言えるのは、19世紀になってから。それまでは、自然哲学と考えられていたわけ。科学的な考え方そのものが19世紀にやっと現れた訳だから科学の歴史は浅過ぎる。だから、世の中のことはまだまだ分からなくて当然。人間が分かったような顔をして科学を語るのは意識の世界だからか…。養老先生風になってしまったので、本書からいくつかの薀蓄を紹介。

ガリレオが発見した木星の4つの大きな衛星の名前。ローマ神話のジュピターに愛された神話の登場人物の名前が付けられたとか。天王星も、土星の外側にあるので、サターンの父親であるウラノスという名前が付けられたとか。

植物のクローンの話。挿し木のように親の木から増やしていくのはまさにクローン栽培だけど、そもそもクローンという言葉はギリシャ語で「挿し木」という意味だとか。

薀蓄以外はほとんど知っている内容だったけど、やっぱり科学史は面白い。そこにはヒトの歴史があるから。科学に興味を持ってもらうには歴史から入るのがいいよね。うん、絶対のお勧めです〜。

娘と話す 科学ってなに?
娘と話す 科学ってなに?
現代企画室 2005-04
売り上げランキング : 155846

おすすめ平均 star
starうん、分かりやすい

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ