川を旅する

『川を旅する』を読んだよ。石神井川も旅してみたい。

「FRONT」という川の雑誌があるらしい。川の雑誌っていうのも珍しいよね。そこに連載されていたもののうちの38編をまとめたもの。日本全国津々浦々の川を訪ねて、筆者が歩く。土手に上がって全体を眺めたり、川原に下りてウロウロしたり、汽車の車窓から眺めたり。

昔も今も人間にとって水は大切なもの。いかに水を引くかといった技術は日本人は得意だったような。例えば、金沢の犀川。お城にとっても、水は大切なもの。犀川から城内に水を引き上げる技術を持った人たちは逆サイフォンの原理を使ったのだとか。ところが、白の命運を握っている水は機密中の機密。だから、その作り手は闇に葬られたという。水の重要性がこの逸話で十分理解できるよね。

水運の話も。
福井県敦賀は一山越えるとすぐに琵琶湖の北端。つまりは、この一山の間に水路があれば、日本海側から関西方面への船の道が出来るわけ。北海道や大陸からの荷物を敦賀に集め、それからさらに船で関西へ運ぶことが容易になるわけだよね。この壮大なプランは町奉行が許可をせず、実現はしなかったけれども、北前船の西廻り航路が整備され、北海道の物資が大坂へ運ばれていく。関西のうどんのだしが北海道の昆布で取られていたり、京都のにしんそばのにしんもそのルートで入ってきたのかも。
この敦賀と琵琶湖を結ぶ船の道が完成していたら、また日本の歴史も変わっていたかもしれないね。

最後に大阪の淀川。

そもそも名前からして大いに人をとまどわせる。「よど」というとき、ふつうは窪みなどにできるたまりを指すのではないだろうか。水のよどんだところなのだ。
どうやら、淀川はよく分からない川のような…。

終章でも言っているけれども、川を眺めていると、下流や上流のことを知りたくなる。特に源流はどこなのか?どうなっているのか?など、川に対する興味は尽きない。
多摩川の源流はまさに奥多摩ででっかい山のイメージがあるけれども、じゃ、アッシのふるさとの川、石神井川は?というとなんとも妙なところから湧き出しているような。
子供のころから、ず〜っと行ってみたいと思っていたその石神井川の源流。いつでも行けそうなので、実際に行ってみたことがないんだけど。

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