容疑者Xの献身

容疑者Xの献身』を読んだよ。ミステリーもまた楽し。

東野圭吾は初めて。そのガリレオシリーズでは初の長編モノ。映画も公開されていて、本もかなり売れているみたい。読書メーターでも読んだ人が多数。
TVドラマではたびたび見ていたけど、小説ではどうなるかと興味を持ちながら読み始めるとグイグイ引き込まれて、400頁ほどをあっという間に読了。普通の本なら、1週間は掛かるのに。

ミステリーなので、話の筋は書かないけど、まさに盲点を突くトリックは鮮やか。しかも、話の中の当事者ですら、そのトリックを知らないまま、ラストシーンを迎えるという驚き。

所々に出てくる数学の話題もなかなか良いよ。
四色問題」について、コンピュータを使った証明は美しくないと語った数学者ポール・エルデシュ。石神はその「エルデシュ信者」であるとか。
「P not= NP問題」(数学の問題に対し、自分で考えて答えを出すのと、他人から聞いた答えが正しいかどうかを確認するのとでは、どちらが簡単か。あるいはその難しさの度合いはどの程度か)が、石神と湯川の間での会話に登場する。この問題は後半にも登場して、重要な考え方になるんだけど。これは、とても数学の問題とは思えないんだけど、逆にいうと、数学は社会のあらゆる局面で応用されているということ。
石神が生徒に微分積分の意味をバイクのレースで例えるのも、その簡単な一例だよね。

さて、アッシの推理。
石神の最終目的は誰にも邪魔されない環境で数学の研究に没頭することだと思っていたんだけど、結局は「献身」だった。これもひとつの愛の形か〜。

容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)
容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)東野 圭吾

文藝春秋 2008-08-05
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おすすめ平均 star
starミステリとしては久々に面白かった。・・・が!!
star理論家だからこその超越した愛がある
star物語の奥深さや幅がない

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