日本の鉄道 車窓絶景100選

『日本の鉄道 車窓絶景100選』を読んだよ。鉄オタの超オタク的会話の数々。鉄子も登場。

本書は、新潮社から出ている『日本鉄道旅行地図帳』の中で、「車窓絶景」を100箇所選ぶという企画があり、その100箇所を選ぶための座談会の模様を収録したもの。リソースの有効活用という意味で、副産物的な本だよね。

その座談会。北海道、東北、関東、北信越、東海、関西、中国・四国、九州とブロックに分けて、そこに定数8を振り分ける。当然100に達しないので、復活折衝したり個人推薦枠に割り振ったりして、100箇所を決めるという手順。

北海道から話が始まる。

秋田内陸縦貫鉄道の話の中で、故宮脇俊三氏の話題が。この辺りは「美人度が高い」と氏が絶賛していたと。

宮脇さんは、阿仁合線で乗り合わせた女子高生たちを見て、「東京に連れて行って磨いたら、さぞや…」って『時刻表2万キロ』の中に書いています。
でも、ここは一旦保留になり、結局、復活折衝で採択。美人は有利?かと思ったけど、マタギの熊狩りの話が評価されたみたい。

東北での話題をもうひとつ。

北海道の江差から松前に向かってバスに乗っていた時、正面に山が見えたんです。何だろうと思ったら岩木山なんですよ。海の向こうに見えて、すごくきれいでした。
…と新潮社の田中氏。なるほど、そういう山の見方もあったのかぁ〜とこの話題はアッシの琴線に触れる。

東京へ。明治学院大学の原氏が、東武線の押上〜曳舟がいいと妙な意見を言う。理由がいい。東急の二子玉川からトンネルに入ると、東京地下鉄半蔵門線を通って、曳舟の手前で地上に出る。東急から東武の世界への劇的な変換だと。東京の人にしかイメージが湧かないかもしれないけど、引用。

渋谷から東急に乗った場合、用賀から二子玉川にかけてトンネルを出ると、右手にコマダムの殿堂、玉川高島屋が見えてきますが、東武は押上から曳舟にかけて地上に出た瞬間に、いきなり密集した民家の裏みたいなところを目にするわけ。日も当たらないような狭いところに、洗濯物があけっ広げに干してある。
「それ、絶景ですか?」って突っ込まれるけど、文化地理的な感動ということで皆が納得。それでも話題提供だけで、採択は却下。…だよね。

こんな調子で、九州まで続くよ。ところどころで、Rや勾配(パーミル)の話が出たりして、いかにもテツの皆さんたち。サラッと読めるけど、日本地図が頭に浮かばない人にはテンポが速すぎてついていけないかも。

最後に。アッシの沿線の西武もチラッと。

西武の飯能から向こうも今一つなんだよね、山の中に入るけど。
アッシもそう思うから、異議無し!!
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