音楽を「考える」
『音楽を「考える」』を読んだよ。音楽を哲学的に考えたり、科学的に考えたり。
茂木健一郎氏と江村哲二氏(故人)の対談集。江村氏は、独学で作曲を学んだとか、しかも学歴は工業大学卒。こうなると、当然科学的に音楽を考えてもおかしくはないよね。
「聴く」という態度についての見解。茂木さんは、名を成した人は皆、「聴く」という態度を持っているという。それに対し、江村氏は、
数学者や物理学者でも、何か新しい発想が生まれるときというのは、人から与えられるものではなく自分のなかに何かをつかむということですね。という。そう、行動的にも耳を澄ましてみるという行為は減ったような。そして、この「聴く」という行為は、聴衆が自分の音楽を創ろうという行為であるとも。
これに関して、茂木さんは、
聴くことは、決して受身ではなく、自分にぴったりと合ったなにものかを探すという意味を考えると、かなり創造的な行為になりますね。という見解。そうだよなぁ〜、聴きながらいろんなことを考えて自分なりに解釈しているよなぁ〜、これが低レベルながらアッシの創造的な行為なのかも。
音楽を離れて、表現者の大成について。茂木さんの「野次馬的な根性」について、好奇心が原動力だと江村氏。そして、
可能性という一言では落とし込めないというか、そもそも自分の可能性なんてはじまから考えないですよね。世界が存在するということに対して全身でぶつかっていくというか。と。人間には限度はないんだよね。
現代音楽の技法についても語る。アッシにはよく分からないけど、「12音技法」とか「無調」とかがあるらしい。これらの起源について、技法有りきではなく、結果であると。
表現として必要なエネルギーがそこにあって、それが出てきた結果なのだと思います。それを、シェーンベルクはああいう形で技法としてまとめあげたわけですが、実際問題、あれを技法として確立したのは彼ではなく弟子たちです。と江村氏。
まさに「描きたいものを描く」と言った奈良美智と同じだよね。
芸術の根幹は、人間のエネルギーそのものなんだなぁ〜。
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