3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』を読んだよ。若者の働き方は本当に変わっているのかなぁ〜。

本書のキーワードは「昭和的価値観」。全編にこのキーワードが流れているよ。
さて、その昭和的価値観って一体何だろ。それは年功序列というレール。そして、若者の労働が団塊世代の給与を稼いでいるという論理。
これに気が付いた若者は、レールに乗っても3年でそのレールを降りてしまう。そして、アウトサイダーが増えていく。会社はキャリアを積むきっかけにしかならなくなっていく。なんとも負のスパイラル。
…と、ここまでは前著『若者はなぜ3年で辞めるのか?』と重複する部分が多し。

昭和的価値観に話を戻す。本書では、22の昭和的価値観を取り上げ、それを否定する事例を上げているよ。それらがすべてアウトサイダーの生き方。彼らなりにビジョンを持ち、仕事に邁進する姿勢は、アッシのようなダメサラリーマンに勇気を与えてくれるよね。

そして、本書の中でも書かれているけれども、若者を送り出す大学側の立場も変わっていかなければならないんだろうね。たまたまあるTV番組で見たことが本書の内容と関連有るので書くけれども、日本の大学は、赤ちゃん受け渡し型だと。何も知らないまっさらな赤ちゃんを企業に受け渡すだけの大学。欧米の大学は、棒高跳び型だと。棒高跳びの棒とその飛び方を大学が教授し、社会に飛んでいく姿をイメージしていると。
分かるような気がするよね。

さて、若干景気が良くなってきているけれども、それが逆に昭和的価値観を復活させる気配があるとか。これからの日本が気になるよね。
でも、アッシも昭和の価値観にどっぷり浸っているので、エラソウなことは言えないよなぁ〜。

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))
3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))城 繁幸

筑摩書房 2008-03
売り上げランキング : 3910

おすすめ平均 star
star安易な提示がない点に誠実さを感じる
star昭和的価値観への決別なるか?
starアウトサイダー的生き方の中間報告

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ